Salesforce、 Vigience Overcast、SAP S/4HANAを活用し、 販売組織と製造組織の業務面、システム面での一本化をグローバルで目指す。
業種
ハイテク領域製造、商社
導入事例
本社のSAP S4/HANA Cloud, private edition (STE)、海外拠点のSAP S4/HANA、 public edition (MTE)、そして Salesforceセールスクラウド&フィールドサービスを連携
日立ハイテクとは
日立ハイテクは 半導体検査装置、半導体製造装置、医用・バイオ分析装置等、最先端分野でリーディングカンパニーとして事業を展開しています。 メーカーと商社の機能を併せ持つ稀有な企業で、高い製品群・ソリューションを武器に、製造、販売、サービスまでを一貫して手掛けることであらゆる顧客ニーズに対応しています。
売上収益5,800億円(2022年度)
従業員12,700名
System Landscape
日立ハイテク
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2001年に日製産業は日立製作所の計測器グループ、同半導体製造装置グループと統合し、日立ハイテクとなりました。 事業体としては1つに統合されるも、組織的には二社の形がそのまま残っており、システムも二重のまま進んでいました。 販売組織と製造組織間にて製品の売買取引が生じる為、両組織にてそれぞれ売上を立て、後から二重部分を消し込む作業が続いていました。
組織やシステムを一本化し、End to Endでお客様から製造まで繋がる仕組みを作るよう2018年から事業変革を掲げてDXプロジェクトがスタート。 これまで各部署でバラバラのSAPインスタンスが使用されていましたが、ERPはSAP S/4 HANA、CRMはSalesforceにて統一しました。 本社はSAP S/4HANA、 private edition (STE) 、海外拠点は SAP S/4HANA、 public edition (MTE)を導入し、 この2つのシステムとSalesforceをどのように連携させるかが課題のひとつとなっていました。
「APIを中心とした連携アーキテクチャを実現。Overcastは事業戦略・IT戦略を実現する上で重要なキーファクター。 Overcast導入の決め手は、SAPとの親和性の高さ、拡張性の高さ。 」
吉田 直晃 様
デジタル推進本部ビジネスDX部 部長
Overcastのソリューション
Overcastはグループ全体で利用しているSalesforceの販売・サービス分野と本社のSAP S/4 HANA、 public edition (STE)、 海外拠点のSAP S/4 HANA、 private edition (MTE) SAPをリアルタイムに連携しました。バッチ処理などを多用した従来的な連携でなく、Overcast によるAPIを中心とした連携アーキテクチャを実現しました。
成果
顧客接点となる Salesforceの販売・サービス分野のプロセスをSAPとリアルタイムに接続することによって、顧客から製造までダイレクトにつながる仕組みを確立しました。
- Overcastコンポーネントを利用し、Salesforce商談画面からSAPの受注登録ができるようになりました。受注登録時にSAPの受注先、出荷先、請求先をリアルタイムで検索することができます。
- 海外支社を含む営業チームがSalesforceに商談を登録すると、Overcastを通して本社のSAPに確定前受注が登録され、早期の所要計画やリードタイム短縮が可能になりました。
- Overcastにより、サービス技術者がSalesforce作業指示の画面(モバイル)からSAPに部品の払い出し、作業時間および部品請求のための受注登録、未使用部品の返却処理を行うことができるようになり、サービス分野においてもCRMとERPの業務プロセスが分断されることなくスムーズに流れるようになりました。
ビジネスインパクト
- 統合後20年近く経過しても続いてた販売組織と製造組織間での二重入力作業を削減したことに加え、売り上げの消し込み作業も不要となり業務の効率化に成功しました。
- Salesforce + Overcast ソリューションを導入したことによって、子会社、販売部門、製造部門間で案件・商談の共有が実現しました。今後 One Hitachi High Techグループとしてカスタマーと接することができるようになると期待できます。
- 経営陣から求められる「常に結果が出る仕組み」を実現するためにはシンプルで拡張性・柔軟性のある仕組みにしておかないと継続性を持って運用できませんが、Overcastソリューションを採用することによってそれに一歩ずつ近づけていると実感しています。